ペースメーカー交換について
ペースメーカーには、本体に電池が内蔵されています。
ペースメーカー電池寿命は作動状況や、必要な出力によって大きな個人差がありますが、平均7~10年です。
完全に電池が切れてしまうと、ペースメーカーは作動を停止するため、ペースメーカー植込み以前の状態に戻ってしまい、めまい・意識消失・失神の発作が出現する危険性があります。場合によっては生命の危険性もあります。
このため、定期的に、ペースメーカーのチェックを行い、交換が必要な時期を確認する必要があります。

ペースメーカー交換術の方法(含麻酔法)
・まずペースメーカーが挿入されている皮膚に局所麻酔を行います。
・それから皮膚を切開して現在挿入されているペースメーカーの本体(ジェネレーター)を皮下より取り出します。
・そして本体とリードの接続を外し別の機械に接続し、リード自体に問題がないかチェックを行います。
・入念にチェックした後にリードに問題がなければ、新たな本体と既存のリードを接続し、先程まで古い本体が入っていた皮下のポケットに新たな本体を挿入します。(このとき、本体の形態の違いにより入りにくい場合には新しい本体に合わせて創部を広げる必要もあります。)
・最後にポケット内に収まったら皮膚を縫合して手術は終了です。
なお、手術前の検査で、患者様の拍動がペースメーカーに完全依存している場合や、リードに問題がある場合には、一時的なペースメーカーの留置や、新たなリードが必要となる事になる場合があるので、一般的に入院での本体交換やリード追加を行う必要があります。
このケースの場合は当院での交換手術は行いません。
ペースメーカー本体の交換であれば、手術に要する時間は40分前後です。
手術までの流れ
問診・診察・費用な検査を行います
患者様(ご家族様)へ心臓の状態について、説明しご相談させていただいた上で手術日を決定します。
手術についての必要書類の記入をお願いいたします。
また当日の服装や持参していただくものについて説明します。
手術当日の流れ
受付時に、必要書類の確認を行います。
ペースメーカー手帳
保険証(マイナンバー)
お薬手帳
同意書などの書類
お着替えをしていただきます
術後静養室で経過観察をさせていただきます
医師が治療結果と術後の注意点を説明し、
止血の確認と、体調に問題がないのを確認できれば1〜2時間後に帰宅となります。
何か症状に変化等があれば、すぐにお電話ください。
外来受診
外来受診にて、創部の確認を行います。
翌日から普段通りの日常生活を過ごすことができます。
術後1週間後の外来受診で創部のチェック、その後は1ヶ月後に受診していただきます。
ペースメーカー交換術後の経過・処置・注意点
・手術後は当日帰宅ですが、創部の状態確認が必要です。
そのため、翌日の外来予約をお願いしています。
・手術後は当日シャワー浴であること、装具を着用していただくことを除いては、普通の生活で
かまいません。翌日以降の入浴などに関しては創部を見て主治医が判断します。
また、植え込み部を強くこすること、石鹸で洗ったりは控えてください。
翌日以降は湯船に浸かることも可能です。皮膚を清潔に保つようにしてください。
・植え込んだ側の腕はあまり創部をかばっていると、筋肉が硬くなってしまい、
その後に肩こりや肩関節痛がひどくなります。
肘より高く腕をあげる動作(バンザイや目線より高いものを取ろうとする動作)は
避けていただければ、普通にしてもらってかまいません。軽い腕の体操も行って結構です。
・手術後は1週後の通常外来受診で創部のチェック、その後は約一か月後にペースメーカー・クリニック(ペースメーカー外来)を受診していただき、問題なければ通常通りのスケジュールでの外来受診となります。